別のジャンルに挑戦する作家はいても、その時の悩み?まで文中に書いてしまう人は見かけない。実験的な書き方がおもしろい。
不思議の日米関係史
いつも歴史の授業で「アメリカが」と言われると、そのアメリカって誰?と不満に思った。逆にペリーが、と言われると、一人の考えで決まるのか、と疑問に思った。
これは、人と他の人々の影響の与え合いや時代背景を多分野から編み上げ、日本へのアメリカのインパクト模様を浮かび上がらせる点で満足な本。
切れ味も古くならない。
清沢洌「関税問題は開港延期、攘夷問題という如き政治的、かつ国民感情的満足を得るための経済的譲歩だった」
高坂正堯「戦後の日本外交についても「国民感情的満足を得るため」ということは余り変わりない」
欠けていたと指摘される諸国対外政策の決定要因の理解と自己の力の冷徹な認識は、人のやりとりを通じて少しは変わってきただろうか。
旅のラゴス
ことばと暴力
不思議な本。独りよがりな書き方に思えるが、きっちり調べてあちこち飛ぶ話がおもしろい。目指すものが何なのかは分からずじまい。
共謀者たち 政治家と新聞記者を繋ぐ暗黒回廊
犬が星見た
自分の中に孤独を抱け
On Writing: A Memoir of the Craft
read a lot, write a lot. 実践的でかつ笑い満載。
小説を書くことに対して、眼前の靄が晴れたような気持ちになる。
The Retreat of Western Liberalism
共和党員が読んでる本とのことで、試しに読む。リベラリズムの終焉?というテーマが盛り上がっている中の一冊。
出だしはピケティの本かと思うような、格差の話。過去にはアメリカで移民の中間層の所得が伸びたが、今は途上国の中間層が伸び、アメリカの中間層は同じレベルに止まったので、成長神話という宗教が立ち行かなくなった。
次にliberalismとdemocracyの関係を述べようとするが、liberalism, democracy, illiberal democracyの定義がなされず、議論が整わない。
その後、謎の未来予想みたいなものが。
誰かが評していたとおり、前半は論点を提示しておもしろく読めるが、後半になるとダメになる本。
