世界の辺境とハードボイルド室町時代

世界の辺境と日本の前近代を比べて語る対談。おもしろそうな本が次々出てくる。

日本の文書主義。律令の国と神判の国。文明からの距離感。ムラ社会は応仁の乱頃から。米作はモノカルチャー。

公家は日記をつけ、転変する現実と向き合う武士はつけなかった。すべてに記録を求めることは転変する現実と向き合う間を奪うことなのか?

世界の辺境とハードボイルド室町時代 (集英社文庫)

謎の独立国家ソマリランド そして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア

おもしろい。

見て聞いて自分なりの結論を書いてあるので、違うんじゃないのと思うところはもちろんあるが、見て聞いたことをこんなに惜しげなく、しかもおもしろく、書いてくれてありがとう。

謎の独立国家ソマリランド そして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア (集英社文庫)

ココロの盲点

自制心は有限リソースで、我慢した後は我慢ができないEgo depletion

物知りな人はおしゃべりで、他人に向けて出力して記憶を確実にしている testing effect

curse of knowledgeを軽々と乗り越えて平易に脳の世界を教え、processing fluencyの正しさを実証してくれる楽しい本。

Halo effect「逆ハロー効果もあります。全般的に優れた商品や書物でもあっても、一点でも欠陥が見つかると、全体の評価が引きずられて、時に不当な酷評にさらされます。ちなみに…自己評価の低い卑屈な人によく見られます」と爆笑を誘うのも忘れない。

自分では気づかない、ココロの盲点 完全版 本当の自分を知る練習問題80 (ブルーバックス)

国際紛争を読み解く五つの視座 現代世界の「戦争の構造」

アンチ東大法学部をやたらに掲げる人の本なので、色眼鏡をかけて読み始めたが、意外と良かった。

基本的な理論を解説し、地域に当てはめてみせることで、日本人にも構造的分析のツールを持って欲しいらしい。わかりやすく、かつあまり偏らず、目的はある程度達せられていると思う。東アジア、特に中国の分析はもっと踏み込んで欲しかった。日韓関係を日中関係から見るべきとの主張は当然だが、北朝鮮に触れないのは違和感。

国際紛争を読み解く五つの視座 現代世界の「戦争の構造」 (講談社選書メチエ)

目に見えるもの、脳、時間

SF〜ミステリーを3冊。どれも、目に見えるものが事実とは限らない(脳の働き)とか、時間の意味に着目したもの。

気候変動で地球が大変なことになり、宇宙開発などに費やす金はないというEarth First運動が起きて、宇宙開発が遅れるというくだりにはうけた(これもストーリー上、事実かは不明なのだけど)。

 

時間泥棒 (創元SF文庫)

姑獲鳥の夏 (講談社文庫)