国際協調の先駆者たち:理想と現実の二〇〇年

わくわくしながら楽しく読める国際関係史は久しぶり。

自らを文明と同一視してきたヨーロッパが、大国を抑えるために国家の関係、国際法、スタンダード、いろいろな手法を模索してきたナポレオン後。アメリカが似合わない世界的な枠組づくりを主導してきた第二次大戦後。今、中国が新しい枠組を次々作っていることを見るのに必要な背景だが、ここまでわかりやすく まとめた本は珍しい。

18世紀末に、共通データベースを作って人類全体の幸福を目指した人がいた。ネットが普及しても、国からなる社会はまだ動揺するところまで来ていない。超大国と次期超大国がある限り、国からなる社会構造がなくなることはないが、変化もある。こういう別の視点もきちんと書き込まれている。

30年後に続編を読むと、現時点では国を超えた枠組づくりに長けているとは言いがたい中国は、どのようなストーリー展開を遂げているか、と考え、勉強したくなる。

国際協調の先駆者たち:理想と現実の二〇〇年