同じくAlex Kerrの本。もう少し時代が古いものだが、日本の自然と文化がもうおしまいだという危機感に満ちた文章。
自然についてはほぼ正しいし、文化についても確かにと思う部分が多いが、文化へのノスタルジーについては、文化はその時代の人間が作るものなので、愛されずなくなるものは仕方ないという気もする。愛されるものは残るので。
ニッポン景観論
日本の自然を愛するAlex Kerrの本。
よくいわれる電線だけでなく、コンクリート、ブルーシート、看板が自然や景観を損ねるという持論をわかりやすく写真を多用して書いている。
特にモンタージュ写真で、ヨーロッパの有名観光地を日本の観光地風にしたらどうなるか、日本の街並みからそういう物を取り去ったらどう見えるか、を並べたところは、爆笑しつつも寂しい気持ちになる。
恩讐の鎮魂曲
中山七里がおもしろいという人がいたので読んでみた。
法廷ドラマのはずだが、論理構成に無理がある。人間ドラマにしてはキャラの書き込みも深くない。謎解きも割とあっさり。
一度売れた人はいいなあというのが素直な読後感。
獄窓記
獄窓記と続・獄窓記、続けて読んだ。
久しぶりにドキュメンタリー的なものでおもしろい本だった。
刑務所で見た累犯障害者の問題を描いて議論を起こしただけではなく、その後に問題意識をもつ人々と出会い、具体的な手当てをしていく過程が良い。盛っている部分もあるとは思うが、いいものも悪いものも、抱いた感情を書き出しているのは素直な人だという印象。
反省記 ビル・ゲイツとともに成功をつかんだ僕が、ビジネスの“地獄”で学んだこと
アスキー西さんの半生記兼反省記。
家にあった日経ビジネスを読んでいた時、敗軍の将・兵を語るが一番好きだったが、簡単な記事よりも半生記の方が遥かにおもしろい。敗軍の将は皆さん書いて欲しい。
リーダー論的な部分もよく、特に有名経営者などの人々からかけられた言葉が珠玉。
