ナチス狂気の内幕 シュペールの回顧録

最近では「ナチス軍需相の証言」というタイトルで出ているようだが、ニュルンベルク判決の20年禁錮を終えた著者が1969年に出版したErinnerungen(「回想」?)を、翌70年に日本で出した訳本。

著者はヒトラーに気に入られた建築家で戦時中に軍需担当相を務めたシュペーア。その後、自己に都合の良い書き方をしていると批判されたようだが、「内幕」を見るには非常に良い本。この内情を連合国側が知っていたらどう違ったのかと思う。破壊力や異常さは別として、「組織」だけに着目すると、同じ傾向の組織は容易に成り立つのが怖いところ。

原色図鑑 世界の美しすぎる昆虫

昆虫は100万種くらい知られているが、実際にはその数倍いる、と言いつつ、その中で色・形・生態のおもしろいものを厳選して見せてくれる、虫好きでなくても興味を惹かれる本。

形がおもしろいものほどサイズが小さいので、仮に遭遇していても気づくことはなさそう。特にヨーロッパコフキコガネは、絶対ムーミン谷の住人だと思う。

SAVE THE CATの法則で売れる小説を書く

脚本向けだったSave the catを実際に使って小説を売り、さらに書きたい人々に教えてきた人が、すべて書いてくれた本。save the cat自体よりわかりやすいくらい、わかりやすいし、何よりも、いろいろな小説を事例として取り上げてくれているのが嬉しい。

これで書くかは別として、小説や映画や漫画を見る視点がクリアになる。