作者のあとがきを見ると意図的のようだが、ハリウッド映画のような仕立てに時間軸を刻み、(本筋には関わらない)細部も書き込む、という手法をとっている。それが興味深いので最後まで読んだ。手法がおもしろい分、個人では抗えない大きな(国家的な?)悪が存在するというテーマの書き込みは微妙な印象を受けた。
浄土真宗はなぜ日本で一番多いのか
どうもタイトルは後付けのようで、内容は日本仏教の系図と発展史のような本。タイトルの質問への答えはあとがき風の部分に、庶民の宗教(念仏唱えればよい)であって、僧と世俗界に(他の宗派のように)断絶がなく、僧も結婚できたので人的ネットワークが広いから、とだけ簡単に書いてある。
仏教にもともと馴染みがある人には良いかもしれないが、そうでない場合は読むのに若干苦労する。冒頭にある系図に宗派名だけでなく創始者や寺などを書き込んでおけば、参照しながら読めてわかりやすいのにと残念で、編集の重要性を感じる。
