赤報隊事件と言われても聞き覚えがないが、朝日新聞阪神支局襲撃事件の犯人を突き止めるため、朝日新聞の記者だった著者が在職中と定年後の取材をまとめた本。朝日を嫌っていた右翼系と統一教会系の両方について厚く取材するが、結論は出ない。
社会面というのは、確かに「社会」を切るコーナーのはずだが、実際には事件の断片や情緒的な記事ばかりなので、いつもこんなに多くを取材しているなら、そういう記事を書いたら良いのにという印象が残った。主張の内容で団体を見るだけでなく、実行力がある人物に着目することで、表面とは違うつながりが見える部分は興味深い。
