記者襲撃

赤報隊事件と言われても聞き覚えがないが、朝日新聞阪神支局襲撃事件の犯人を突き止めるため、朝日新聞の記者だった著者が在職中と定年後の取材をまとめた本。朝日を嫌っていた右翼系と統一教会系の両方について厚く取材するが、結論は出ない。

社会面というのは、確かに「社会」を切るコーナーのはずだが、実際には事件の断片や情緒的な記事ばかりなので、いつもこんなに多くを取材しているなら、そういう記事を書いたら良いのにという印象が残った。主張の内容で団体を見るだけでなく、実行力がある人物に着目することで、表面とは違うつながりが見える部分は興味深い。

本で床は抜けるのか

ブログを見て本を読んでみた。最後は侘しい個人的展開まで書いてくれる、サービス精神の旺盛な著者が蔵書の多い人々の暮らしを取材してくれた本。結局、何冊なら床が抜けるのか、木造はダメで鉄筋なら大丈夫なのか、確答はないが、雑駁に2000冊程度までは問題ないという印象を受けた。

ミザリー

長年ぶりの再読。作家の生態や考えを描く部分が過去よりも強く印象に残った。訳本は読みにくいが、やはり天才的におもしろい。