サイゴンから来た妻と娘

著者はベトナム戦争中のサイゴン陥落の時、現地にいてレポートを書いたことで有名な新聞記者。サイゴンの下町で結婚するまでや、妻と娘が東京に来ての日々を書きながら、時々、ベトナム文化・社会の考察と、それと対比しての日本社会への批判的というか哀しみの目線が混ざる。この部分は全然変わらないのが同じく哀しい。

とてもおもしろい本だが、特に娘との関係が時代を反映してなのか、今では存在し得ないような記述が出てきて驚く。