古本屋さんで百円で購入。吉田茂がイギリスの百科事典追補に頼まれて書いた巻頭論文、と前書きにある。本人が書いたのか役人が書いたのかはわからないが、開国、明治から戦後復興までをさっくりとマクロに、運営側の視点でまとめてある雰囲気は、本人の考えなのだろう。
今だと、戦争の振り返りや韓国併合に言及がないことを突き上げられそうだが、そういう圧力のない時代に何が書かれたのかという視点でもおもしろい。
日本がgood loserであり、日本国民が楽観的な人々だということと、日露戦争後に「目的」を失って漂流したという趣旨のことが繰り返し書かれている。それぞれの時代の指導層がどのように行動したかを、彼なりに切っている部分が印象に残る。
