海軍がなくなり、海上自衛隊ができた軌跡。聞いたことのあるエピソードが多いが、人間に着目して、彼らが海軍に入る前の時点から書かれているので、なぜそうなったのかがわかりやすい。
海軍旗があまりにデザイン的にできが良すぎて、自衛隊用に新しく描いてもらっても同じデザインだった、というところがおもしろい。朝鮮戦争の掃海に行った人々は吉田茂よりも給料もらっていたことも。
ただ、次々違う人物に飛ぶ書き方のせいかもしれないが、知らない世代が読むには懐古感が強すぎる気がする。
海軍がなくなり、海上自衛隊ができた軌跡。聞いたことのあるエピソードが多いが、人間に着目して、彼らが海軍に入る前の時点から書かれているので、なぜそうなったのかがわかりやすい。
海軍旗があまりにデザイン的にできが良すぎて、自衛隊用に新しく描いてもらっても同じデザインだった、というところがおもしろい。朝鮮戦争の掃海に行った人々は吉田茂よりも給料もらっていたことも。
ただ、次々違う人物に飛ぶ書き方のせいかもしれないが、知らない世代が読むには懐古感が強すぎる気がする。
知っているつもりでいた東南アジア諸国との関係が、より良く見えるような本。岸首相が、安保改定交渉のためアメリカに行く前に、地位固めとして東南アジアとの関係を進めた辺りが、東南アジア側の事情も肉付けされていてよくわかる。
日本の記者クラブ制度について、アメリカの研究者が書いた本。副題が情報カルテルなので、記者クラブ、政治、官僚の関係を書いた本かと思ったが、あまり掘り下げはなく、記者クラブの概要をまとめたような雰囲気。
少し古いので、80年代、90年代がしのばれるのと、徳富蘇峰が強く政府との関係を持っていたとか、小ネタがおもしろい。
佐藤栄作首相の軌跡は、まさに「戦後外交」。総決算には至らないが、安保改定、沖縄、中国との関係も手をかけようとした。
産経新聞のバンキシャたちがブレーンになり、学者の若泉敬が佐藤総理の指示も不明なままに沖縄返還の交渉をしていた官邸の状況が描かれる。著者は若泉さんにかなり手厳しいが、元バンキシャにはそうでもない。
非核三原則のうち、持ち込ませない、について佐藤本人はネガティブで、中曽根康弘氏の強い推しで施政方針演説に入れたというのは、本当にそうなのかわからないが、興味深い。
Woodwardの本は久しぶり。これまでに比べて、ずいぶん現実に近接して出版された印象がある。
トランプが正しい時は正しいと言う部分もあるが、圧倒的にけなす部分が多い。最後は、liarという見方で終わる。
淡々と人間関係を描写していくので、トランプのmodus operandiを見るには、fire and furyなどよりも役に立つかも。
政権交代前後に、アベノミクスが政策として固まったプロセスを辿る本。著者も検証と称しているが、確かに一つの政策に着目してまとめてくれるのは、理解しやすい。
ただ、著者もマスコミ出身の人だが、マスコミでリアルタイムで書いてくれてもいいのにと思う部分も多い。いつも後から出てくるのは、なぜなのか。
本人が文中でも書いているように、長らく一般人向けに発信をしてきた人で、とにかく笑える。笑いながら、今のアメリカ知識市場の仕組みがわかる。シンクタンクや研究所の収益構造とか、そういやそうだね、というところも多い。日本でも時にはこういう枠組みの議論をした方が良い。
2年以上北朝鮮に抑留された元日経記者の手記。
内閣調査室、公安調査庁に渡した情報が北朝鮮に渡っていた部分が衝撃的。監視員とのやりとりや風景、食べ物など、細かい描写も興味深い。
過ぎ去りし政治家の面影、というサブタイトルのとおり、昔の政治家のことを同世代の記者が回顧した本。エピソード集で、それ以上ではない。
政治家たちの写真が、だいたい最盛期のものなのか、見たこともないくらい若いのが一番印象的。