世界史を別視点で見るシリーズ。文字と文明を中心に見たもの。
帳簿・・よりも更に、世界史を鳥瞰した(西欧視点でない)切り方で見るという積極的な姿勢が本を通じて明らか。
あとがきを見ると、著者がオスマン帝国を研究し始めた理由が、まさにそれを目指したから、だったそうで、納得する。
文字や文明だけでは割り切れない普通の歴史が長々続く部分もあるが、読後感としては、歴史の「全体を流れる」「全体に通ずる」ものが3D的に浮かんで見える気持ちになり、とてもありがたい本。欧米、パン・イスラム、中国と並んで梵字世界を体現するインドをあげているのも正しい。
なぜ原人はアフリカ生まれなのに、同じところで「文字」や「文明」は生まれていないのか?という疑問が浮かんだ。
→これは前提が間違った疑問で、生まれたが鳥瞰視点で説明できるような大きな潮流にならなかったから取り上げられていない、というのが正しい感じ。
